だって日本はオタクの聖地でしょ?現実を知ったとある海外の人

あなたはオタクと聞いて何をイメージしますか?良くいえば「極めし者」でしょうか。ただし良い意味では用いられません。それに一口でオタクと言っても様々な分野のオタクがいます。

しかし海外では意味が違います。比較的良い意味で使われており、主に日本のアニメやゲームなどのサブカルチャーを愛する者たちのことです。「日本サブカルチャー愛好家by海外編」みたいなものですね。(補足をしておくとギークとナードが英語版のオタクという意味になります。他にも呼び方はありますが、ここで言うオタクは『otaku』のことです)

この日本と海外での概念の差異が『日本にいるオタクが羨ましい=オタクの聖地』と考えるようになり、日本を神聖化(?)することに繋がった。おそらくはこういう図式でしょう。

「僕は日本に行って本物を見てくるんだ」

そういって出かけた彼は自他共に認める海外のオタクさんです。そして帰国後に「楽しかった」と満足気に言いました。彼は私から見ても日本アニメ崇拝主義者でした。それだけに現実を知って幻滅するのではないかと心配していたのですが、日本人の大半がオタクを許容していないということを知っていたようです。

旅行に行く前に私が日本について伝えなかったのは単純に言い辛かったからです。あまりに楽しそうだったので言いそびれてしまい、旅行中も気が気ではありませんでした。私を弱い人間だと笑ってください。

彼は日本でオタクの祭典「コミックマーケット」に行ったのだそうです。私は行ったことがありません。だから雰囲気などは分かりませんが彼が楽しんだのは間違いないようです。私もホッとしました。日本人としては日本を悪く思われたくありませんからね。例え勘違いだったとしてもです。

彼の仲間たちは話しを聞いて日本に対する熱を一段と上げたようでした。そして後日、別の方が日本に行ったようです。問題はその人です。話しの流れから分かると思いますが「これが絶望した人間か」と感心してしまうくらいに打ちひしがれていました。

「漫画もアニメも信用できない!」

こう言い放った彼ですが日本に行く前に「どうして日本なんだ?」と尋ねられて「だって日本はオタクの聖地でしょ?」と答えたそうです。聞いた相手は知りません。又聞きの話しです。

想い焦がれて出かけた先は仮想世界ではなく現実世界ですからね。気持ちは分かるような、分からないような…日本への熱は下がったみたいですが漫画もアニメも捨てきれなかったようです。どんなに幻滅しても簡単に捨てられるようなものではなかったということでしょう。さすがotakuさんです。

それに彼にとっては残念なお知らせですが、そもそも漫画もアニメも楽しむものであって、信用するものではありません。サブカルチャーであってカルチャー(文化)ではないということです。

そして彼を見て私も決意しました。「憧れを持って日本に行く人にはちゃんと現実を教えてあげよう。例えこの身が果てようとも」というのは冗談ですが、ちゃんと教えようとは思いました。

ところがですよ?一度染みついたイメージは拭い難いのです。私がいくら説明しても、大げさに言っているように聞こえてしまうのでしょうか。人は信じたいものを信じるといいますからね。「ブルータス。お前もか」のセリフでおなじみのシーザーさんも「多くの人は見たいと欲する現実しか見ていない」と言っています。今も昔も人は変わらないということでしょうか。

何はともあれ、一人でも犠牲者を減らすためにも日本がオタクの聖地でないことは伝えていかなければなりません。例えこの身が果てようとも(笑)